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らくじょうご
落城後私があの
諸磯の
海辺に
佗住居をして
居た
時分などは、
何度も
何度も
訪れて
来て、
何かと
私に
力をつけてくれました。
落城後それが
何年になるかと
仰ッしゃるか——それは
漸く一
年余り
私が三十四
歳の
時でございました。まことに
短命な、つまらない一
生涯でありました。
それから
私は
問われるままに、
鎌倉の
実家のこと、
嫁入りした
三浦家のこと、
北條との
戦闘のこと、
落城後の
侘住居のことなど、
有りのままにお
話ししました。