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みせものし
さあ、さし
当たり
綱渡りの
軽わざに、
文福茶がまの
浮かれ
踊りをやりましょう。もうくず
屋なんかやめてしまって、
見世物師におなんなさい。あしたからたんとお
金がもうかりますよ。
かれはたかが犬を
連れていなかを
興行いて回る
見世物師の
老人ではあったが、ひじょうに
気位が高かったし、
権利の
思想をじゅうぶんに持っていたかれは
此に
怜悧な
観世物師があったら、
直に前代未聞と吹聴すべき
山𤢖なるものの正体は
抑何んなであったか。
勿論、彼等にも
牝牡はあろうが、今ここに屍体となって現われたのは、
確に女性であった。