“ひろにわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
広庭71.4%
広苑28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
バサッとへいをきって、直垂ひたたれそでをたくしあげ、四方へつるをならすしきをおこなってから紫白しはくふたいろこまかい紙片しへんをつかんで、だんの上から試合しあい広庭ひろにわゆきのようにまきちらす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夏ははちすの花が早抹あさあけに深いもやの中にさいて、藪の蜘蛛くもの巣にも花にも朝露がキラキラと光って空がはれていった。藪には土橋をかけて、冠木門かぶきもんの大百姓の広庭ひろにわと、奥深く大きな茅屋根かややねが見えていた。
むちして広苑ひろにわの芝生をはしらすこと三そう、柳を百歩へだたって駒足をひたと停め、心ゆくばかり弦をひきしぼってちょうッと放った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操は考えているふうであったが、やがて左右に命じて、秘蔵の赤地錦あかじにしき戦袍ひたたれを取寄せ、それを広苑ひろにわの彼方なる高い柳の枝にかけさせた。そして武臣の列に向い
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城寨とりでの山、東条の麓にある龍泉寺の医王院いおういん広苑ひろにわに、いつになく、鮮やかな菊水の旗と、遠目にも眼を射らるるような卯の花、緋、萠黄縅もえぎおどしなどの鎧、太刀たち、艶やかな塗弓ぬりゆみ
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)