“ひえき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
裨益73.1%
冷切11.5%
冷却3.8%
卑役3.8%
稗益3.8%
罷役3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆえに筆者はにんじゅつの真なる発祥と、その流祖の煙滅えんめつひんせる事跡を記し、もって世道人心に裨益ひえきするところあらんと決心したのである。
今まではさも殊勝なりし婦人おんないなずまのごとき眼を新聞に注ぐとひとしく身をそらし、のびを打ち、冷切ひえきったる茶をがぶり、口に含み、うがいして、絨毯じゅうたんの上に、どっと吐出はきいだ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜のような深い静寂な底は、からだも痺れるほど冷却ひえきった清水が湧いていて、まるで氷が張っているような冷たさであった。その底に一つの人取亀がぴったりと腹這うていた。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
太閤が微賤であつた時、信長に仕へて卑役ひえきを執つたのは、人の知つてゐる事であるが、其の太閤が如何に卑賤の事務を取り行つたかといふ事は考察せぬ人が多い。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これはいわゆる童蒙のためにもなろうが、原文の妙を解し得る人々のためにも、一種の新刺戟となって、すこぶる興味あり、かつ稗益ひえきする所多い作品である。
『新訳源氏物語』初版の序 (新字新仮名) / 上田敏(著)
毎日定役とせる物を仕上げてさて二時間位は罷役ひえきより前にわが監房に帰り、読書をなすを例とせり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)