“ははきぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
箒木60.0%
帚木40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月を待つのおとぎにとて、その坊さんが話すのですが、薗原山そのはらやま木賊刈とくさがり伏屋里ふせやのさと箒木ははきぎ、更科山の老桂ふるかつら千曲川ちくまがわ細石さざれいし、姨捨山の姥石うばのいしなぞッて、標題みだしばかりでも、妙にあわれに
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はては片足進みて片足戻る程のおかしさ、自分ながら訳も分らず、名物くり強飯こわめしうるいえ牀几しょうぎに腰打掛うちかけてまず/\と案じ始めけるが、箒木ははきぎは山の中にも胸の中にも、有無分明うむぶんみょうに定まらず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
新葉をめぐまない雑木林は、その枝を空へ帚木ははきぎのように延ばし、それを左右に打ち振った。また常盤木ときわぎの群木立は、去年のままの暗い緑を、さも物憂そうに顫わせた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日ごろの願いとする神の住居すまいにまでいたり着いたが、あの木曾の名所図絵にもある園原の里の「帚木ははきぎ」のように、彼の求めるものは追っても追っても遠くなるばかり。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)