帚木ははきぎ)” の例文
以前の伊予介いよのすけは院がおかくれになった翌年常陸介ひたちのすけになって任地へ下ったので、昔の帚木ははきぎもつれて行った。
源氏物語:16 関屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
帚木ははきぎの巻のはじめに「光源氏、名のみこと/″\しう言ひけたれたまふ。……」と書かれているのも
反省の文学源氏物語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
新葉をめぐまない雑木林は、その枝を空へ帚木ははきぎのように延ばし、それを左右に打ち振った。また常盤木ときわぎの群木立は、去年のままの暗い緑を、さも物憂そうに顫わせた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日ごろの願いとする神の住居すまいにまでいたり着いたが、あの木曾の名所図絵にもある園原の里の「帚木ははきぎ」のように、彼の求めるものは追っても追っても遠くなるばかり。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかるにそれを受けた第二巻帚木ははきぎの初めはこうである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
帚木ははきぎの心を知らでその原の道にあやなくまどひぬるかな
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)