“のきぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
退口70.0%
檐口10.0%
簷口10.0%
軒口10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いけどしつかまつった、学芸記者がれない軽口のにげ口上で、帽子を引浚ひっさらうと、すっとは出られぬ、ぎっしり詰合って飲んでいる、めいめいが席を開き、座を立って退口のきぐちを譲って通した。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
双方から打つ玉は大抵頭の上を越して、堺筋さかひすぢでは町家まちやの看板がはちの巣のやうにつらぬかれ、檐口のきぐちの瓦がくだかれてゐたのである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
船板塀ふないたべいをした二階家があって、耳門くぐりにした本門ほんもん簷口のきぐちに小さな軒燈けんとうともり、その脇の方に「山口はな」と云う女名前の表札がかかっていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
前に葦簾あしすだれが立ててあって中の半分は見えない、今カンテラに火をつけて軒口のきぐちに吊った所で、油煙ゆえんがぽっぽと立つ 低いかやのきへ火がつきやしないかと思われる、卵や煮肴にざかなやいろいろの食物が
八幡の森 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)