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のうべん
羽柴秀長は、藤堂高虎に
諮って、もう敵方も参ったであろうと、
能弁な一臣下を、使いとして、敵の
一拠点、丸山の陣へ
突然柿江が
能弁になった。彼が能弁になるのは一種の
発作で、無害な犬が突然恐水病にかかるようなものだ。
振ひ宜しく申し爲し給ふべしと何か
耳語ければ左仲は
微笑此書面は貴殿の認められしことなれば我れ能々
腹に
納めて持參致し某し日頃の
能辯を以て天晴
上首尾に
仕課せ申すべしとて獨り
誇り
顏に支度を
非常に
能辯な
京都言葉を
操る四十
許の
細君がゐて、
安井の
世話をしてゐた。