“なんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
南縁50.0%
南苑25.0%
何円12.5%
南檐12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南縁なんえんけんを迎うるにやあらん、腰板の上にねこかしらの映りたるが、今日の暖気に浮かれでし羽虫はむし目がけて飛び上がりしに、りはずしてどうと落ちたるをまた心に関せざるもののごとく
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
けれど、張飛に案内されて、南苑なんえんの客館に通ってみると、まったく世の風雲も知らぬげな長閑のどけさで、浪人を愛するよりは、むしろ風流を愛すことのはなはだしい気持の逸人ではないかと思われた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しんをとめるものは心をとめ、肥料のやり時、中耕の加減かげんも、兎やら角やら先生なしにやって行ける。毎年わし蔬菜そさい花卉かきたね何円なんえんと云う程買う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
毅堂が『薄遊吟草』所載の作中に「七月十日ひとり南檐なんえんス。涼風西ヨリ来リ梧竹ごちく蕭然しょうぜんタリ。因テおもフ。余南中ニアルコトほとんど一年ト。悲ミ中ヨリ生ズ。一絶句ヲ賦シテ懐ヲ遣ル。」と題するもの及び「八月八日マサニ北総ニ遊バントス。鈴木彦之ニ留別ス。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)