“つわぶき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
石蕗71.4%
石蕗花28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母家おもやから別れたその小さな低い鱗葺こけらぶきの屋根といい、竹格子の窓といい、入口いりくちの杉戸といい、殊に手を洗う縁先の水鉢みずばち柄杓ひしゃく、そのそばには極って葉蘭はらん石蕗つわぶきなどを下草したくさにして
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これが石蕗つわぶきの葉か何かであると、形も大きいし、冬の季のものでもあるから、さほどのこともないけれども、花が咲いていてさえ見ばえのせぬシャガの、遺却されたような葉に時雨が降る。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
菊の花しおるるまがきには石蕗花つわぶき咲き出で落葉らくようの梢に百舌鳥もずの声早や珍しからず。裏庭ののほとりに栗みのりて落ち縁先えんさきには南天なんてんの実、石燈籠いしどうろうのかげには梅疑うめもどき色づきめぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
庭の隅に咲いた石蕗花つわぶききいろい花に赤蜻蛉とんぼがとまっていた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)