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たんじやう
いまも
中六番町の
魚屋へ
行つて
歸つた、
家内の
話だが、
其家の
女房が
負ぶをして
居る、
誕生を
濟ましたばかりの
嬰兒に「みいちやん、お
祭は、——お
祭は。」と
聞くと、
小指の
先ほどな
付させられ
懷姙し母お三婆の
許へ歸る
砌御手づから御
墨付と御
短刀を
添て下し置れしが御懷姙の
若君は御
誕生の夜
空しく
逝去遊ばせしを
孕し
此御墨附と御短刀を戴きしが其若君は御
誕生の日にお
果なされ其娘も空しくなり此二品は婆の
持腐にしたるを我十二歳の時婆を殺し此品々を