“そうこん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
爪痕22.2%
瘡痕22.2%
草根22.2%
創建11.1%
創痕11.1%
早婚11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顔に王の爪痕そうこんとどめて死したりといふ、おそろしき知らせに、あくる十四日ミュンヘン府の騒動はおほかたならず。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
メスを入れられる痛さは瞬間的なものであり、瘡痕そうこんのかさぶたが取れるまでもさして時日はかからない。さしずめこれは種痘のようなものだ、と私は自分に云い含めた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
大手搦手からめてから運ばれてくる傷病兵の看護から、喰べられる草根そうこんみ集めたり、夜は夜で、侍女たちと共に針をもって、将士の着るつづれを縫うなど、女には女の籠城があった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右の千手崎せんじゅがさきは延暦三年四月に勝道上人しょうどうじょうにんが湖上[中禅寺湖の]で黄金の千光眼せんこうがん影向ようごうを拝し玉ひしゆゑ爰に千手大士を創建そうこんし玉ひ補陀楽山千手院ふだらくさんしんじゅいんと名付玉ふたといふことである。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「D坂の殺人事件」においては二人の女の背中に無数の創痕そうこんがあるという事実から、殺人事件が変態性欲に関係していることを見抜いたり、棒縞の浴衣ゆかたを甲は黒衣と断定し
まして縁づいたのが十五のとしであるとすれば、いかに早婚そうこんの時代だとしても、恐らく母はそういう社界の汚れに染まる度も少く、まだ純真なむすめらしさを失っていなかったであろう。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)