“しりはしおり”の漢字の書き方と例文
語句割合
尻端折100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身には法衣ころもに似て法衣でないようなものを着ていた。それに、尻端折しりはしおり脚絆きゃはん草鞋穿わらじばきという異様な姿をしていた。頭は坊主にっていた。その時の心の経験の記憶がた実際に岸本の身にかえって来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
よほど遠くから出て来るものと見え、いつでもわらじ脚半掛きゃはんが尻端折しりはしおりという出立いでたちで、帰りの夜道の用心と思われる弓張提灯ゆみはりちょうちんを腰低く前で結んだ真田さなだの三尺帯のしりッぺたに差していた。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つづいて尻端折しりはしおり股引ももひきにゴム靴をはいた請負師うけおいしらしい男の通ったあとしばらくしてから、蝙蝠傘こうもりがさと小包を提げた貧しな女房が日和下駄ひよりげたで色気もなく砂を蹴立けたてて大股おおまたに歩いて行った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)