“しききん”の漢字の書き方と例文
語句割合
敷金100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敷金しききんは四つ、なかなかいい値段だなと思いながら、押入れの鶴の絵にわびしくなったり、古新聞の散らかっている廊下に出て、この部屋へ寝床を敷いて寝る夜のことを考えるとあじきなかった。
貸家探し (新字新仮名) / 林芙美子(著)
後生樂ごしやうらくな。嫁御よめごもあらばよろこばう……近所きんじよし、とゆきにもつきにも姿すがたらしいかどはし渡懸わたりかけたが、たちま猛然まうぜんとしておもへらく、敷金しききん用意よういもなく、大晦日近おほみそかぢかくだし、がつたり三兩さんりやうと、すなはる。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
与次郎のくしたかねは、たかで弐拾円、但しひとのものである。去年広田先生が此前このまへいへを借りる時分に、三ヶ月の敷金しききんに窮して、りない所を一時野々宮さんから用つてもらつた事がある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)