“きぼく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
亀卜55.6%
奇木22.2%
揮墨11.1%
貴墨11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつ、卜筮は易筮えきぜいにせよ亀卜きぼくにせよ、その種のなんたるを問わず、今日まで民間に伝わるものは、すべて非道理的のものにして、学術上、論ずべき価値あるものにあらず。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
かれたる老樹折れてみちよこたはりたるをこゆるは臥竜を踏がごとし。一条ひとすぢ渓河たにかはわたり猶登る事半里ばかり、右に折れてすゝみ左りにまがりてのぼる。奇木きぼく怪石くわいせき千態せんたいじやう筆を以ていひがたし。
その語がいっている通り、直指人心の禅機を——また寒流帯月の剣の秘微を——その心境になり切ってただ無我の一揮墨きぼくを、紙の上へさっと落し去っているものであろう。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴墨きぼく拝見つかまつり候、あらたに師を失いたる吾々が今日に処するの心得いかんとの御尋おたずね、御念入の御問同憾どうかんいたりに候、それにつき野生も深く考慮を費したる際なれば、腹臓なく愚存ぐぞんちんもうすべく候
師を失いたる吾々 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)