“がんくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雁首96.6%
雁管1.1%
雁頸1.1%
鴈首1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おまけに一人の親仁おやじなぞは、媽々衆かかしゅう行水ぎょうずいの間、引渡ひきわたされたものと見えて、小児こどもを一人胡坐あぐらの上へ抱いて、雁首がんくび俯向うつむけにくわ煙管ぎせる
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云って、与右衛門さんは煙管きせる雁管がんくびをポンと火鉢にはたいて、今にも水がりそうな口もとをした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
旅人宿はたごやだけに亀屋の店の障子しょうじには燈火あかりあかしていたが、今宵こよいは客もあまりないと見えて内もひっそりとして、おりおり雁頸がんくびの太そうな煙管きせる火鉢ひばちふちをたたく音がするばかりである。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と女房は、煙管の鴈首がんくびを、畳に長くうつむけたるまま、心ここにあらずでもなかったらしい。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)