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おほまつりごと
大政しげくして、西なる京へ君はしも、
御夢ならでは
御幸なく、
比叡の朝は
霞む共、
鴨の夕風涼しくも、
禁苑の月
冴ゆとても、鞍馬の山に雪降るも、御所の
猿辻猿の
頬に朝日は照れど
ありし
往時、玉の
御座に
大政おごそかにきこしめさせ玉ひし頃は、三公九
卿首を
俛れ百官諸司袂をつらねて恐れかしこみ、
弓箭の
武夫伎能の士、あらそつて君がため心を傾ぶけ操を励まし
現にまのあたりに見奉りしは、
二四紫宸清涼の
御座に
朝政きこしめさせ給ふを、
百の
官人は、かく
賢しき君ぞとて、
詔恐みてつかへまつりし。