“おおあらし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大暴風雨41.0%
大風雨20.5%
大嵐20.5%
大暴風12.8%
大暴雨2.6%
大颶風2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「物見の者も、あの大暴風雨おおあらしでは、歩むにも歩めず、どこかへ山籠やまごもりいたしたものでしょう。——が、今朝は、見えるに違いない」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「戦争の騒ぎだけでもたくさんなところへ、こないだのような大風雨おおあらしじゃ、まったくやり切れない。とかく騒がしいことばかりだ。半蔵も気をつけて行って来るがいいぞ。」
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
辰雄は躊躇ちゅうちょしたが、そんなこと云うてる場合やあれしませんで、………この大嵐おおあらしに小泉さんとこかて起きてはりますがな、と、鶴子が云うと
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
三十日に大暴風おおあらしで阪の下に半日留められた外は、道中なんのさわりもなく、二人は七月十一日の夜品川に着いた。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「そよと吹く風の恋や、涙の恋や、嘆息ためいきの恋じゃありません。暴風雨あらしの恋、こよみにもっていない大暴雨おおあらしの恋。九寸五分の恋です」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると今まで外面へ張りつめていた気がゆるんだとでも言うのか、急にあるえたいのしれないはげしい寂寞と哀愁とが大颶風おおあらしのように彼に迫って来た。熱い涙がつき走るように彼の目から流れ出た。
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)