大暴風おおあらし)” の例文
ウッカリすると折角せっかく、根を張りかけた鮮海の漁業をドン底までタタキ付けられるかも知れない大暴風おおあらしが北九州の一角から吹き初めたもんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
三十日に大暴風おおあらしで阪の下に半日留められた外は、道中なんのさわりもなく、二人は七月十一日の夜品川に着いた。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余は仰いで大檣の帆を眺めしが、帆は高くして張り切るばかり、帆綱さえ激しく檣桁ほげたに巻きつきたれば、元来水夫にはあらぬ余の、いかでかこの大暴風おおあらしに帆を降す事を得べき
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
その頃から空が曇り、浪が高く海岸に咆哮ほうこうして、本当の大暴風おおあらしとなって来ました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
とまるで大暴風おおあらしのように騒ぎ出します。
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)