“えんけん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
厭嫌44.4%
厭倦22.2%
鳶肩11.1%
偃蹇11.1%
援剣11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
知識と経験とが相敵視し、妄想もうそうと実想とが相争闘する少年の頃に、浮世を怪訝かいが厭嫌えんけんするの情起りやすきは至当の者なりと言うべし。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
襄陽では、温は刺史しし徐商じょしょうもとで小吏になって、やや久しく勤めていたが、つい厭倦えんけんを生じてめたのである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
さし肩というのは、菩薩肩ぼさつがたというのとは反対で、菩薩肩は菩薩像のような優しい肩つき、今でいう撫肩であり、さし肩というのは今いう怒り肩で漢語の所謂いわゆる鳶肩えんけんである。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかし是に懲らされて、狐は落されてしまったと見え、それからは、鳶肩えんけん長身、傲骨ごうこつ稜々りょうりょうたる匡衡朝臣も、おとなしくなって、好いお父さんになっていたという話である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
菜の花、豆の花ならば戯るるすべもあろう。偃蹇えんけんとして澗底かんていうそぶく松がには舞い寄る路のとてもなければ、白き胡蝶こちょうは薄き翼を収めて身動きもせぬ。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
相馬藩援剣えんけんの残党、月輪軍之助、各務房之丞、山東平七郎、轟玄八の四名とともに枕を並べて眠っている剣妖丹下左膳が——夢をみていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)