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うすゞみ
凍雲とりあへず「
萩のすだれを
巻あぐる月」此時のはせをが
肉筆二枚ありて一枚は
書損と覚しく
淡墨をもつて
一抹の
痕あり、二枚ともに
昌庵主の家につたへしを
凍雲とりあへず「
萩のすだれを
巻あぐる月」此時のはせをが
肉筆二枚ありて一枚は
書損と覚しく
淡墨をもつて
一抹の
痕あり、二枚ともに
昌庵主の家につたへしを
さつきは
雨脚が
繁くつて、
宛然、
薄墨で
刷いたやう、
堤防だの、
石垣だの、
蛇籠だの、
中洲に
草の
生へた
処だのが、
点々、
彼方此方に
黒ずんで
居て、それで
湿つぽくツて