“あらものや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
荒物屋86.4%
荒物店9.1%
雑貨店4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もはや、季節きせつぎてしまったので、荒物屋あらものやや、絵双紙屋えぞうしやのようなところをいてあるいてみたけれど、うちわをならべているうちはありませんでした。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
荒物店あらものやをはじめたのも此家ここのことであれば、母上は吉原の引手茶屋で手のない時には手伝いにも出掛けた。女史と妹の国子とは仕立したてものの内職ばかりでなく蝉表せみおもてという下駄げた畳表たたみおもてをつくることもした。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
菊江は雑貨店あらものやのつぎの野菜店やおやへ入ろうとして、ふと見ると、その野菜店の正面になった左側のカフェーの下にも二階にも客が数多たくさんある容子ようすで、何か口ぐちに云うのにまじって女の声もしていた。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
雑貨店あらものやの前に何人だれか一人立っているようであったが、それはこっちへ来る人のようでもなかった。右の方のたらたら降りの街路とおりの方に靴音が聞えて、ふとった労働者のような男がこっちへ向って来た。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)