雑貨店あらものや)” の例文
旧字:雜貨店
菊江は雑貨店あらものやのつぎの野菜店やおやへ入ろうとして、ふと見ると、その野菜店の正面になった左側のカフェーの下にも二階にも客が数多たくさんある容子ようすで、何か口ぐちに云うのにまじって女の声もしていた。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
雑貨店あらものやの前に何人だれか一人立っているようであったが、それはこっちへ来る人のようでもなかった。右の方のたらたら降りの街路とおりの方に靴音が聞えて、ふとった労働者のような男がこっちへ向って来た。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)