“あのかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
彼方83.3%
彼人16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり彼方あのかたはよい人であった。いまになってもよい心をなくさずにいられるではないか。筒井は頬をぬらしながらなお一首をものし、何度もよみ返して、さて、さめざめといった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
御相図おあいずと承わり、又御物ごしが彼方あのかた其儘そのままでござりましたので、……如何様にも私を御成敗下さりまして、……又此方様は、私、身を捨てましても、御引取いただくよう願いまして
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
教会が一層つかしくて——彼人あのかたの影が見えるとたゞ嬉しく、如何どうかして御来会おいでなさらぬ時には、非常な寂寞せきばくを感じましてネ、私始めは何のこととも気がつかなかつたのですが、或夜
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
篠田様の御議論を拝見して、始めてく父等の事業の不道理不徳義なる、説明を得たのでした、其れで私は、彼人あのかた良人をつとにすると云ふことは事情のるさないものと思ひあきらめ、又た一つには
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)