“あきでら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
明寺66.7%
空寺33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥州筋おうしうすぢ近来きんらい凶作きようさく此寺このてら大破たいはおよび、住持ぢうじとなりても食物しよくもつとぼしければそう不住すまず明寺あきでらとなり、本尊ほんぞんだに何方いづかた取納とりおさめしにやてらにはえず、には草深くさふかく、まこと狐梟こけうのすみかといふもあまりあり。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奥州筋近来の凶作にこの寺も大破に及び、住持となりても食物乏しければ僧も不住すまず明寺あきでらとなり、本尊だに何方いずかたへ取納めしにや寺には見えず、庭は草深く、誠に狐梟こきょうのすみかというもあまりあり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一頃ひところならば市中まちなかの塔や空寺あきでらでも堂々と住んでいられたものが、次第に洛外に追われて、その洛外にも安心してはめなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
享楽しているのであったが、一皮ひとかわいた京洛みやこの内部には、こうした、えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺あきでら、神社、辻堂、石垣
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
党衆らしいのが庫裡くりにいた。がらんとして、空寺あきでらのように奥は冷たくて暗かった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)