空寺あきでら)” の例文
一頃ひところならば市中まちなかの塔や空寺あきでらでも堂々と住んでいられたものが、次第に洛外に追われて、その洛外にも安心してはめなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
享楽しているのであったが、一皮ひとかわいた京洛みやこの内部には、こうした、えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺あきでら、神社、辻堂、石垣
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
党衆らしいのが庫裡くりにいた。がらんとして、空寺あきでらのように奥は冷たくて暗かった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)