明寺あきでら)” の例文
奥州筋おうしうすぢ近来きんらい凶作きようさく此寺このてら大破たいはおよび、住持ぢうじとなりても食物しよくもつとぼしければそう不住すまず明寺あきでらとなり、本尊ほんぞんだに何方いづかた取納とりおさめしにやてらにはえず、には草深くさふかく、まこと狐梟こけうのすみかといふもあまりあり。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奥州筋近来の凶作にこの寺も大破に及び、住持となりても食物乏しければ僧も不住すまず明寺あきでらとなり、本尊だに何方いずかたへ取納めしにや寺には見えず、庭は草深く、誠に狐梟こきょうのすみかというもあまりあり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)