“ばんぷ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バンプ
語句割合
蛮夫42.9%
万夫14.3%
萬夫14.3%
蕃布14.3%
蛮婦14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「かりにも、曹丞相ほどなお方が、汝ごとき下賤げせん蛮夫ばんぷと、なんで戦いを交えようか。もう一度生れ直してこい」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かりに其の詞をれて、つらつら経久がなす所を見るに、九六万夫ばんぷゆう人にすぐれ、よく士卒いくさ習練たならすといへども、九七智を用ふるに狐疑こぎの心おほくして、九八腹心ふくしん爪牙さうがの家の子なし。
〔評〕南洲かつて東湖に從うて學ぶ。當時たうじ書する所、今猶民間にそんす。曰ふ、「一寸いつすん英心えいしん萬夫ばんぷてきす」と。けだ復古ふくこげふを以て擔當たんたうすることを爲す。維新いしん征東のこう實に此にしんす。
蕃人巡査花岡一郎は始め巡査の制服を着て司会者側に参列していたが、いつの間にか制服はぬぎすて、陣羽織じんばおりに似た麻の蕃布ばんぷを身にまとっていた。彼が蕃装することはめったにないことである。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
乱軍の中を駈けまわって、敵の首をじ切るという怖ろしい女武者というだけでは、巴はただの蛮婦ばんぷにすぎない、まるで化け物である。どうも化け物はぼくには書けなかった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)