割合わりあひ)” の例文
方なくそれはあきらめたが、そのころから割合わりあひに手先の器用きようわたしだつたので、「せう寫眞術しやしんじゆつ」の説明せつめいしたがつて、わたしはとう/\寫眞器しんき自作じさくこゝろざした。
うと、四五十二、四六十三、四七——オヤ!そんな割合わりあひでは二十にならないわ!けど、乘算じようざん九々ひやうあてにならないのね。今度こんど地理ちりはうよ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
れだから彼等かれら婚姻こんいん當日たうじつにも仕事しごと割合わりあひにしてはあまりに多人數たにんずぎるので、ひと仕事しごとあつまつては屈託くつたくない容子ようすをして饒舌しやべるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「當代の御主人なのだ。」嬉しい言葉! その次に何がようとも——どんなことが出て來ようとも——割合わりあひに落着いて聞いてをられさうであつた。
日本につぽんける大地震だいぢしん統計とうけいによれば、あまおほきくない町村ちようそんおいて、潰家かいか十一軒毎じゆういつけんごと一名いちめい死者ししやしようずる割合わりあひである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ハヽー少し逆上ぎやくじやうしてるやうぢやから、カルメロを一りんにヤーラツパを五ふん調合てうがふしてつかはすから、小屋こやかへつて一にちに三くわい割合わりあひ服薬ふくやくいたすがよい。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
しか爲替相場かはせさうば騰貴とうきした割合わりあひには低落ていらくせざるのみならず七ぐわつ以來いらいつね非常ひじやう好賣行かううれゆきであつて爲替相場かはせさうば漸次ぜんじ騰貴とうきするにかゝはらず九ぐわつりては千三百五十ゑんとなつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
一日いちにちとこいてふせつてこと一度いちど二度にどでは御座ござりませぬ、わたし泣虫なきむし御座ございますから、その強情がうじやう割合わりあひ腑甲斐ふがひないほど掻卷かいまきえりくひついてきました、唯々たゞ/\口惜くやなみだなので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
輕氣球けいきゝゆうともに、海洋かいやう唯中たゞなか落込おちこんだ吾等われら兩人りやうにんは、一時いちじすうしやくふか海底かいていしづんだが、さひはひにも、落下らくか速力そくりよく割合わりあひ緩慢くわんまんであつたためと、またなみ氣球きゝゆう抵杭ていかうしたために、絶息ぜつそくするほどでもなく
其上そのうへ體質たいしつ割合わりあひ精力せいりよくがつゞくから、わか血氣けつきまかせて大抵たいていことはする。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よび我等が名代に萬八へ行き仲間の者にも知己ちかづきに成るべしと云ふに千太郎はかしこまり候とやがて支度に掛りしに持參の衣類は商人あきうどには立派過ると養父の差※さしづいつもの松坂縞まつざかじまの布子に御納戸木綿おなんどもめん羽織はおり何所どこから見ても大家の養子とは受取兼る樣子なり其時養父五兵衞は千太郎に云ひける樣今日の馳走ちそうは總て割合わりあひ勘定かんぢやうなれば遠慮ゑんりよには
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
朝鮮牛てうせんうし大分だいぶ輸入ゆにふされたがいねころのやう身體からだ割合わりあひ不廉たかいからどうしたものだかなどといふことが際限さいげんもなくがや/\と大聲おほごゑ呶鳴どなうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
爲替相場かはせさうばが六箇月かげつあひだやくわり回復くわいふくした割合わりあひかられば物價低落ぶつかていらく割合わりあいすくないのであるが、輸入品ゆにふひん爲替相場かはせさうば騰落とうらく影響えいきやうけそれ價格かかく騰落とうらくするわけであるけれど
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
從來じうらいかれとほ奉公ほうこういくらでも慰藉ゐしやみち發見はつけんしてたのは割合わりあひあたゝかなふところほとんどつひやしつゝあつたからである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)