“漸次”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんじ68.4%
しだい14.3%
だんだん11.2%
ざんじ2.0%
だん/\1.0%
しば/\1.0%
だん/″\1.0%
やう/\1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ワットはこの外にいろいろの特許をも得ましたし、それらによって名声が漸次ぜんじに高まったので、晩年には幸福に過ごすことができました。
ジェームズ・ワット (新字新仮名) / 石原純(著)
彼は云い知れぬ一種の愉快を感じて、なおも雲の行方を睨んでいると、黒い悪魔の手は漸次しだいに拡がって、今や重太郎の頭の上を過ぎた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と、さらに不思議なことには、姿の見えない笑い声が、漸次だんだんこっちへ近寄って来る。部屋の隅と思ったのが、畳の上から聞こえて来る。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
従来非常にたくさんなこのユリ根が外国に輸出せられたが、これからも漸次ざんじにその盛況せいきょうを見るに至るであろう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
清潔好きれいずきかれには派手はで手拭てぬぐひ模樣もやう當時たうじほこりひとつであつた。かれはもう自分じぶんこゝろいぢめてやるやうな心持こゝろもち目欲めぼしいもの漸次だん/\質入しちいれした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼等かれら漸次しば/\家族かぞくあひだこと夫婦ふうふあらそひに深入ふかいりしてかへつ雙方さうはうからうらまれるやうなそん立場たちばはまつた經驗けいけんがあるので、こはれた茶碗ちやわんをそつとあはせるだけの手數てすうたくみ方法はうはふ機會きくわいとをつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私達の味覚は嗅覚だの聴覚だのと一緒に漸次だん/″\繊細きやしやに緻密になつて来たに相違ないが、其の一面にはお互の生活に殆どゆつくり物を味ふといふ程の余裕ゆとりが無くなつて、どうかすると刺戟性しげきせいのもので
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
相待けり然るに奧にては夜の更行ふけゆくに隨ひ酒宴の騷ぎも漸次やう/\うすらぎ最早座敷も引て皆々席を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)