“しば/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
屡々32.2%
屡〻10.3%
數々4.6%
数々3.4%
2.3%
數〻2.3%
数〻2.3%
2.3%
數次1.1%
多時1.1%
度々1.1%
時々1.1%
暫々1.1%
漸次1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マス君はしば/\真直まつすぐな鋭い剣を送つたが、たま/\其れを避け外したカ君の右腕うわんから血が流れた。なり深い負傷であるにかゝはらずカ君は戦闘を続けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ことに屡々しば/\この「アミユレツト」に関して犯罪の行はるゝことなどが探偵小説に書かれてあるから特に一言注意を促した訳である。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
その名をさんははゞかりあれど、同郷人の中に事を好む人ありて、余が屡〻しば/\芝居に出入して、女優と交るといふことを、官長のもとに報じつ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ら、かんなたねえ大工でえくだ、のみぽうつちんだから」といつて勘次かんじ相手あひてもないのにわざとらしいわらひやうをして女房等にようばうらはうた。かれさうくびおこして數々しば/\ることを反覆くりかへした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
多くの新聞には、兼吉が是れ迄も数々しば/\小米こよねと云ふ婦人に金の迷惑を掛け、今度の凶行も、婦人が兼吉の無心を
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
水品の美、真に赤松氏利根川図志の記するところの如し。予かつてしば/\これを試みしに、山本氏の「清風」は茶の至美なる者にあらずと雖、神味とみに加はりて、霊気心胸に沁むものあるを覚ゆ。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
姫は數〻しば/\我をして平生の好むところを語らしめ給ひぬ、詩を談ぜしめ給ひぬ。興に乘じて古人の事を談ずるときは、われは自ら我辯舌の暢達ちやうたつになれるに驚きぬ。
巧偸豪奪といふ語は、宋の頃から既に数〻しば/\見える語で、骨董好きの人〻には豪奪といふことも自然と起らざるを得ぬことである。マアそれも恕すべきこととすれば恕すべきことである。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
茶山が春水に交渉した書には「閭塾りよじゆく附属」と云ひ、春水が浅野家に呈した覚書には「稽古場教授相譲申度趣」と云つてあるが、後住の語は当時しば/\茶山の口にし筆にした所であつて
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
針葉樹しんえふじゆるやうではなく、はるあめ數次しば/\やはらかにうるほせばつひにはこそつぱいかは何處どこからかしろつぽいいて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつぎはあやぶむやうにしてひかこゑてゝいつた。おつぎはだまつてうごかしてる。與吉よきち返辭へんじがなくてもなつかしさうねえようと數次しば/\けた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何故といつて、天国へ引揚げられた黒人くろんぼは、多時しば/\地獄へ落ちてゆくが、牢屋から出て来る黒人くろんぼは、また同じ弁護士の事務室に顔出しするにきまつてゐるから。
「それからもう一つ訊くが、——遺書のことは度々しば/\聽いたことだらうな」
其筋からも時々しば/\異様な人が来て尋問するなどの事が有てはひとりで辛抱が出来なく成り必ず忍で其情夫に逢に行くだろうと思うが
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
新婚當時しんこんたうじ四五年しごねん故郷こきやうかへりみなかつた時分じぶん穗科閣下ほしなかくかは、あゝ糠鰊こぬかにしんひたいな、と暫々しば/\つて繰返くりかへした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼等かれら漸次しば/\家族かぞくあひだこと夫婦ふうふあらそひに深入ふかいりしてかへつ雙方さうはうからうらまれるやうなそん立場たちばはまつた經驗けいけんがあるので、こはれた茶碗ちやわんをそつとあはせるだけの手數てすうたくみ方法はうはふ機會きくわいとをつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)