數々しば/\)” の例文
新字:数々
なつはじめたびぼくなによりもこれすきで、今日こんにちまで數々しば/\この季節きせつ旅行りよかうした、しかしあゝ何等なんら幸福かうふくぞ、むねたのしい、れしい空想くうさういだきながら、今夜こんやむすめはれるとおもひながら
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ら、かんなたねえ大工でえくだ、のみぽうつちんだから」といつて勘次かんじ相手あひてもないのにわざとらしいわらひやうをして女房等にようばうらはうた。かれさうくびおこして數々しば/\ることを反覆くりかへした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
是の如き二の事例は實に瑣細の事であるが、萬事此の樣な道理が、暗々の中、冥々の間に行はれて、惜福者は數々しば/\福運の來訪を受け、不惜福者は漸く終に福運の來訪を受けざるに至るのであらう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひとりいてるといへば至極しごく温順おとなしくきこえるが、其癖そのくせ自分じぶんほど腕白者わんぱくもの同級生どうきふせいうちにないばかりか、校長かうちやうあまして數々しば/\退校たいかうもつおどしたのでも全校ぜんかうだい一といふことがわかる。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)