“しばしば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
屡々57.6%
22.4%
屡〻11.7%
数々2.9%
数〻1.0%
1.0%
屡次0.7%
数次0.7%
屡ゝ0.5%
數〻0.5%
數次0.2%
0.2%
屡屡0.2%
暫々0.2%
繁々0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも電話帳や紳士録に乗っている名前では何だかインテリやブルジョアじみているような気がして満足出来ない場合が屡々しばしばある。
創作人物の名前について (新字新仮名) / 夢野久作(著)
痩容そうようあに詩魔しまの為のみならんや。往昔自然主義新に興り、流俗の之に雷同するや、塵霧じんむしばしば高鳥を悲しましめ、泥沙でいさしきりに老龍を困しましむ。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
丁度泊りがけで鎌倉に行って居た国男も戻り、屡〻しばしば噂にきく山田氏ツーさん等も見えたので、自分も荷作りを中止して仲間入りをした。
庸兵をはなって之を追い、殺傷甚だ多し。このえきや、燕王数々しばしばあやうし、諸将帝のみことのりを奉ずるを以て、じんを加えず。燕王も亦これを知る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その不快を極むるところの一路なるをも忌み厭ふにいとまあらずして渠身不相応なる大船の数〻しばしば出入するに徴して知るべし。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
黎元れいぐわん撫育むいくすることやや年歳としを経たり。風化ふうくわなほようして、囹圄れいごいまむなしからず。通旦よもすがらしんを忘れて憂労いうらうここり。頃者このごろてんしきりあらはし、地しばしば震動す。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
文団治は高座から、おれの話が今時の客にわかるものかといって、客と屡次しばしば喧嘩をして、話を途中でやめて引下った事を私は覚えているので、この入墨を見た時、なるほどと思った。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
はばかるところ無くもうしける。されど燕王答えたまわねば、数次しばしば書をたてまつりけるが、皆かい無かりけり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もとより結婚といふものは、何かの情実に頼らなければ成り立ち得ぬものには違ひないが、しかもその情実が屡ゝしばしば人を裏切りやすいところに、結婚の危険はひそんでゐるのだ。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)
孫臏そんびん(二〇)刑徒けいともつひそかせい使つかひく。せい使つかひもつし、ひそかせてともせいく。せいしやう田忌でんき(二一)よみしてこれ(二二)客待かくたいす。數〻しばしばせい諸公子しよこうし(二三)驅逐重射くちくちようせきす。
果敢はかない煙草入たばこいれかますなか懸念けねんするやうにかれ數次しばしばのぞいた。陰鬱いんうつせま小屋こやなかのぞかますそこくらかつた。わづかにまじつたちひさなしろ銀貨ぎんくわたびかれこゝろいくらかのひかりあたへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじいへにはたきゞやまのやうにまれてある。それが彼等かれら伴侶なかま注目ちうもくいた。それとはなしに數次しばしばかれ主人しゆじんげられた。開墾地かいこんちいたそのはひをもいへはこんだといふことまで主人しゆじんみゝはひつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
曰く、其の宝を懐きて其の邦を迷わすは、仁と謂うべきかと。曰く、不可なりと。事を従うを好みてしばしば時を失うは、知と謂うべきかと。曰く、不可なりと。日月逝き、歳我と与にせずと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
併し、当時妾の心の悩みは屡屡しばしば佐野の幻影に攪乱され、ひどく妾の心身の疲れてるのを心配して、ロダンさんは妾にモスコー行きをお薦めになりました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
或は恐る、つひに述作無きに至らむをと。あらず、あらず、この暫々しばしば濫用せらるる「不感無覚」の語義を芸文の上より解する時は、単に近世派の態度を示したるに過ぎざるなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「さて其許そこもとも二十二歳、若盛りの大切の時期、文武両道を励まねばならぬ。時々参られるのはよろしいが、あまり繁々しばしば来ませぬよう」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)