“約”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つづ32.7%
やく26.4%
つま6.4%
つゞ6.4%
およそ5.5%
およ3.6%
つづま3.6%
ちぎり2.7%
ちぎ2.7%
1.8%
ちかひ0.9%
つゞま0.9%
おおむ0.9%
ちか0.9%
つが0.9%
つゝ0.9%
ひっくる0.9%
ほぼ0.9%
アバウト0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その五悪段というものはこの濁悪世界の悪人共がいろいろの手段を尽してする悪事を五つにつづめて適切にありがたく説明されてある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかるに、不思議ふしぎなことには、むらに二つ時計とけいがありましたが、どうしたことか、二つの時計とけいやく三十ぷんばかり時間じかんちがっていました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
是非来月で無ければ成らないと云う訳もありませんから、つま貴下あなたや市郎さんの思召おぼしめし次第で……妾の方は何方どちらでもよろしいのです。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つゞめて言へばしもの如くになる。霞亭は文化十年三十四歳で備後に往つた。十一年三十五歳で廉塾を監した。十二年三十六歳若しくは十三年三十七歳で妻を娶つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
船は十一分の重量おもみあれば、進行極めて遅緩ちかんにして、糸魚川いといがわに着きしは午後四時半、予定におくるることおよそ二時間なり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この文こそは宮が送りし再度のうつたへにて、その始て貫一を驚かせし一札いつさつは、およそ二週間前に彼の手に入りて、一字も漏れずその目に触れしかど
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『郷土研究』巻四と『日本及日本人』去る春季拡大号へ出した拙文に大概説き置いたから、なるべく重出を省いてつづまやかに述べよう。
秋成の「雨月物語」は、ぼくの少年時の愛読書の一つだが、あの中でも「蛇性じゃせいいん」「菊花のちぎり」「白峯」の三篇がわけてすぐれている。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馴染みの客を送り出して、そのうわさをしているのもあれば、初会の客に別れを惜しがッて、またの逢夜おうやちぎッているのもある。夜はいよいよ明け放れた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「おこのさんもあんまり家をめるもんだで、かえって大きい金が外へ出るらね。」と母親は後で弟嫁のことをくさしはじめた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
伯氏あには菊花のちかひを重んじ、命を捨てて百里をしはまことあるかぎりなり。士は今尼子にびて一三六骨肉こつにくの人をくるしめ、此の一三七横死わうしをなさしむるは友とするまことなし。
彼答へていひけるは、汝かく事の隱微をしるをねがへば、我はわが何故に恐れずここに來れるやをつゞまやかに汝に告ぐべし 八五—八七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この黒壁には、夏候かこうぴきの蚊もなしと誇るまでに、蝦蟇がまの多き処なるが、乞食僧はたくみにこれをあさりて引裂きくらうに、おおむ一夕いっせき十数疋を以て足れりとせり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一四二烈婦さかしめのみぬしが秋をちかひ給ふを守りて、家を出で給はず。翁も又一四三あしなへぎて百かたしとすれば、深くてこもりて出でず。
売るお何どんの注進ちぇッと舌打ちしながら明日あしたと詞つがえて裏口から逃しやッたる跡の気のもめ方もしや以前の歌川へ火が附きはすまいかと心配ありげにはたいた吸殻
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
そこでは、常に、「溌剌たる才気」がもつとも「つゝましい姿」を見せてゐる。
『ハイカラ』といふこと (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
此の形の科学、ひっくるめて云へば幾何学の奉仕者とその美しいものの附属物の言葉の紹介に驚いてはいけない。蜂は此の上はないといふやうな熟練した幾何学者だ。
雜談ざつだんの間に周三は、何かひツかゝりを作へては、お房の素性すじやう經歴けいれきとを探つた。そしてほぼ想像そう/\して見ることが出來るまでにぐり出した。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
最初の若さはずっと通り越したがそれでも、まだ充分美しいところの残っている女で、実際、自分では、「アバウト二十九歳」などと言っていた。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)