つい)” の例文
また金解禁きんかいきん我國わがくに工業こうげふあたへる影響えいきやうついるに、我國わがくにおいては對米爲替相場たいべいかはせさうば大正たいしやうねん以來いらい平均へいきんドル乃至ないしドル下落げらくにして
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ソコで今度の米国こうついても、役人が幕府から手当の金を一歩銀で請取うけとれば、亜米利加アメリカに行くときにはこれを洋銀のドルラルえなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旅を終えて振りかえると、今なお続く民藝の分布について色々の結果を捕えることが出来る。固有の工藝が多く残るのは概して北方に多く、南国に浅い。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
すると一月半ばかり前からお秀は全然ぱったり局に出なくなった。初は一週間の病気届、これは正規で別に診断書がらない、其次は診断書がついて五週間の欠勤。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この書出でてより斯界しかいの研究は最早もはやその第二次とすべき一局面の細密なる蒐集以外主要の点については全くすべき余地なきに至りしといふも過賞にあらず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
以て八山やつやまなる旅館へ申遣しけるおもぶきは此度天一坊樣御下向ごげかうついては重役の者一とう相伺あひうかゞひ申たきこそ有ば明日五ツどき伊豆守御役宅へ御出あらせられたしとの口上こうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
娘と申せど主君のお胤なれば、何とぞ華族へ縁付けたく、それについても金力きんりょくなければ事かなわずと存ぜしゆえ、是まで種々しゅ/″\の商法をいとなみしも、慣れぬ事とてな仕損じ
共々うれしく帰朝して我はかろからぬ役を拝命するばかりか、ついに姓を冒して人に尊まるゝについてもそなたが母の室香がなさけ何忘るべき、家来に吩附いいつけて段々ただせば、果敢はかなや我とたのしみけで
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こは当楼の後ろの大薮に数年すねんすんでいる狸の所為しわざにて、毎度この高味うまいものをしてやらるると聞き、始めてばかされたと気がついて、はては大笑いをしたが、化物ばけものと直接応対したのは、自分ばかりであろうと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
此點このてんついては國民こくみんぱんうつたへて、さうして國民こくみんとも多年たねん解決かいけつ出來できなかつた大問題だいもんだい解決かいけつする方策ほうさくてたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
朝敵とめいついて、ソコで将軍御親発ごしんぱつとなり、又幕府から九州の諸大名にも長州にむかって兵を出せと云う命令がくだって、豊前ぶぜん中津なかつ藩からも兵を出す。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
爺さんよ、またえたら逢いたいものだ。そうして次にはもっと技術の工程や、紋様の取り方や、仕事の性質や草々くさぐさのことについて聞かせてほしい。永年の経験は宝なのだ。
思い出す職人 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ひそめ我一ツ思ひついたる手段しゆだんあり其譯そのわけは下女の菊は生得しやうとく愚成者おろかなるものなれば是に云付いひつけ又七がねやへ忍ばせ剃刀かみそりにて又七へ少しにても疵を付け情死しんぢうせんとて又七にだまされ口惜くちをしければ是非ぜひとも又七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御嶽おんたけの雪のはだ清らかに、石楠しゃくなげの花の顔気高けだかく生れついてもお辰を嫁にせんという者、七蔵と云う名をきいては山抜け雪流なだれより恐ろしくおぞ毛ふるって思いとまれば、二十はたちして痛ましや生娘きむすめ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
前言ぜんげん前行ぜんこうただたわぶれのみと、双方打解けて波風なみかぜなく治まりのついたのは誠に目出度めでたい、何もとがめ立てするにも及ばぬようだが、私には少し説がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
外國ぐわいこくむかつて日本にほんかね支拂しはらひ必要ひつえうとしないと程度ていどまで改善かいぜんされると見込みこみつたのである、この貿易ぼうえき状態じやうたい爲替相場かはせそうば將來しやうらいつい適確てきかくなる見込みこみつることを
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
鹿沼かぬまほうき丸亀まるがめ団扇うちわ天童てんどう将棊駒しょうぎごま久留米くるめかすり結城ゆうきつむぎ土州どしゅうの金物、それぞれに面白い発達である。そういう場所からはとりわけ生産の組織について多くを学ぶことが出来る。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ああ思いついたりと小行李こごうりとく/\小刀こがたな取出し小さき砥石といし鋒尖きっさき鋭くぎ上げ、やがくしむねに何やら一日掛りに彫りつけ、紙に包んでお辰きたらばどの様な顔するかと待ちかけしは、恋は知らずの粋様すいさま
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
とらへ又は目顏めがほにて知らせけるに兩親は只一人の娘なればあしき蟲でもついてはならずと心をくばり母は娘のそばはなれぬやうにする故何分なにぶん云寄いひよる便たよりなく源八は種々しゆ/″\心をつくしけるが或時あるとき下男の與八と云者いふものに酒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)