“営”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
いとな72.9%
えい10.2%
いとなみ5.1%
3.4%
いとなま1.7%
しつら1.7%
1.7%
たて1.7%
ツク1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いわんや運尽き世乱れてからは、「是に争ひ彼に争ふ、人を滅ぼし身を助けんといとなみ、悪心のみさへぎりて、善心はかつて起らざりき」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
直義は、水城みずきあとまで出て、兄を迎え、共に、原山の陣所へ入った。原八坊の一つ四王院がすでにえいとしてよそおわれている。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二本榎にほんえのきに朝夕の烟も細き一かまどあり、主人あるじは八百屋にして、かつぎうりをいとなみとす、そが妻との間に三五ばかりなる娘ひとりと、六歳むつになりたる小児とあり
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人間らしい臥床ふしど それからボェトンという駅に着きました。この辺には欧州人の住んで居ります者もありますし、その中にも農業をって居る者が多いようです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
方今、我が国に外国の交易始り、外国人の内、あるいは不正のはいありて、我が国を貧にし我が国民を愚にし、自己の利をいとなまんとする者多し。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今は職人の数も少かった。そして幾分不用になった空地あきちは庭に作られて、洒落しゃれ枝折門しおりもんなどがしつらわれ、石や庭木が多く植え込まれた。住居すまいの方もあちこち手入をされた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
柏木界隈かいわいの女は佐久さくの岡の上に生活くらしてて、荒い陽気を相手にするのですから、どうでも男を助けて一生はげしい労働はたらきなければなりません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この手合が馬を追いながら生活くらしたてる野辺山が原というのは、天然の大牧場——左様さようさ、広さは三里四方も有ましょうか、まくさに適した灌木かんぼくと雑草とが生茂おいしげって
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
爾に其伺える賊の夫、其玉を乞い取りて、常は裹みて、腰に著けりたりき。此人山谷間タニベに田をツクりければ、田人ともの飲食を牛に負わせて、谷の中に入りけるに、其国主の子天之日矛逢えり。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)