“装”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
よそお40.4%
なり24.1%
よそおい7.2%
6.6%
よそほ4.5%
よそ4.5%
つく3.9%
1.5%
よそほひ1.2%
いでたち0.9%
かざ0.6%
こしら0.6%
みなり0.6%
つくろ0.3%
いで0.3%
かざり0.3%
しつ0.3%
そう0.3%
0.3%
づくり0.3%
めし0.3%
よさ0.3%
よそい0.3%
よそひ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わしはあの優雅ゆうがみやこの言葉がも一度聞きたい。あの殿上人てんじょうびと礼容れいようただしい衣冠いかんと、そして美しい上﨟じょうろうひんのよいよそおいがも一度見たい。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
なりは南部の藍万あいまんの小袖に、黄八丈の下着に茶献上の帯に黒羽二重の羽織で、至極まじめのこしらえでございまして、障子戸の外から
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天衣、瓔珞ようらくのおんよそおいでなくても、かかる場面へ、だしぬけの振袖は、狐の花嫁よりも、人界に遠いもののごとく、一層人を驚かす。
真の夜泣松は、汽車から来る客たちのこの町へ入る本道に、古い石橋の際に土をあわれにって、石地蔵が、苔蒸こけむし、且つ砕けて十三体。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぱうは、大巌おほいはおびたゞしくかさなつて、陰惨冥々いんさんめい/\たる樹立こだちしげみは、露呈あらはに、いし天井てんじやううねよそほふ——こゝの椅子いすは、横倒よこたふれの朽木くちきであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で、彼は、つとめて平気をよそおうとして、非常に苦しんだ。それは、彼が負けぎらいな性質であるだけに、一層不愉快なことだった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
若くつくって、そして若い気持ちでいても、こころの底で彼女は、正直のところ、「棚に載っかって埃りをかぶろうとしている老嬢」
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
私が訳し終ると太子をはじめ三人は改めて感謝の瞳を昔知事ガヴァナー市長メーヤーだったらしくもないこの妙なりをした大入道の老人に注いでいたが
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
女扇の竹青きに紫の珠を鏤めたらん姿して、日に日によそほひまさる、草菖蒲といふなりとぞ。よし何にてもあれ、我がいとほしのものかな。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お定まりの登山綱ザイル氷斧アックス角灯ランテルヌなどという小道具もさることながら一行のいでたちというものははなはだもって四分滅裂。
いずれも一寸のたま三十三りゅう、八分の珠百五粒、紅宝玉三十おおきさ鶴の卵、粒を揃えて、これは碧瑪瑙あおめのうの盆にかざり、緑宝玉、三百顆、孔雀くじゃくの尾の渦巻の数に合せ、紫の瑠璃るりの台
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嫌味のない棒ステッキ、毛皮のトンビに白の繻子しゅす足袋、ま新しい正の日和下駄ひよりげた、と云った一分の隙もないこしらえを与えられ、愈々いよいよ目的の家に向って、その不思議な使命を果すために
自殺を買う話 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
其多くは学生のみなりをして居た。労働者らしい人も多かつた。牛込の富久町から日比谷にかけての道筋、裁判所の構内には沢山の警官が配置され、赤い帽子の憲兵の姿も交つてゐた。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
とは言ふものゝ、何気ない様子をつくろつて、自分は座蒲団を敷いて座り、客には白い毛布を四つ畳みにしてすゝめた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
はいって見ると、赤井は裸の体にボール紙の鎧をつけ、兜を被って、如何にも虎退治らしいいで立だった。竹藪が装置してあった。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
身のかざりも衣裳の染色模様なども目に立たぬようにして唯我身に応じたるを用う可しと言う。質素を主として家の貧富に従うの意ならん。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
南の御殿の西の離れ座敷に賀をお受けになる院のお席が作られたのである。屏風びょうぶ壁代かべしろの幕も皆新しい物でしつらわれた。形式をたいそうにせず院の御座に椅子いすは立てなかった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
看板通りの異国情調に富んだ舞台面で、出て来る人物も、皆西洋人臭いふんそうをしていた。僕は思った、「これは素敵だ、流石さすがにRはいいものを見せてれた」
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「おけ申しましょう、」と艶麗あでやかに云う。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかもっていたのを、ちょうど私のそばに居合わせた、これはまた土用中、酷暑のみぎりを御勉強な、かたぎづくりの本場らしい芸妓げいしゃを連れた、目立たない洋服の男が居て、くだん色親仁いろおやじながら
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「失礼ですけど、そのおめし、結構な色目ですことね」
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
岩穴に入りておわる、衆初めて其伏流ふくりうなるをり之をとす、山霊はだして尚一行をあざむくの意乎、将又たはむれに利根水源の深奥はかるべからざるをよさふの意乎、此日の午後尾瀬がはらいたるの途中
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
港にはよそひましろき船いくつ夏はさやかに雲流れ見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)