“装束”のいろいろな読み方と例文
旧字:裝束
読み方割合
しょうぞく66.1%
いでたち11.3%
よそおい4.8%
さうぞく3.2%
しやうぞく3.2%
そうぞく3.2%
イデタチ3.2%
しようぞく1.6%
そうぞ1.6%
なり1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今度は鬼女、般若の面のかわりに、そのおかめの面を被せい、うし刻参ときまいり装束しょうぞくぎ、素裸すはだかにして、踊らせろ。陰を陽に翻すのじゃ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
源吾の装束いでたちは華やかだった。長刀なぎなたかと見えるような大太刀をつかって、黒小袖の下には、燃えるような両面のくれないの袖を重ねていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、今朝高萩の村道を、懐かしい昔の仲間達が——すなわち秩父香具師達が、旅装束よそおいで通って行った。知った顔も幾個かあった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その装束さうぞくは、赤裸に茜染あかねぞめの下帯、小玉打の上帯を幾重にもまはしてしかとしめ、三尺八寸の朱鞘しゆざやの刀、つかは一尺八寸に巻かせ、こじりは白銀にて八寸ばかりそぎにはかせ
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしはこの国の娘のやうに、あなた様のお姿をき上げました。しかもこれは御覧の通り、田植たうゑ装束しやうぞくでございます。けれども円光ゑんくわうがございますから、世の常の女人によにんとは思はれますまい。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
冠をつけ装束そうぞくを着た人が、その大魚にまたがり、大勢の魚族をひきいてうかんできて、私に向かってこういうのです。
白い著物・白いカヅラ、手は、足は、すべて旅の装束イデタチである。頭より上に出た杖をついて——。このタヒラに来て、森の前に立つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
帯は海松みる色地に装束しようぞく切摸きれうつし色紙散しきしちらし七糸しちんを高く負ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ただその上下うえした装束そうぞくにも、支度の夜は丑満うしみつ頃より、女紅場じょこうばに顔を揃えて一人々々沐浴ゆあみをするが、雪のはだえも、白脛しろはぎも、その湯は一人ずつべにを流し、白粉おしろい汲替くみかえる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まづ一やう来復らいふくして、明治三十一年一ぐわつじつの事で、下谷広小路したやひろこうぢとほる人の装束なりは、フロツクコートに黒の山高帽子やまたかばうしいただき、玉柄ぎよくえのステツキをたづさへ、仏蘭西製ふらんすせいくつ
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)