“みなり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
身装28.7%
身扮27.0%
服装17.2%
身形5.7%
扮装5.4%
身姿2.5%
身裝2.3%
風采1.9%
衣服1.3%
衣装1.0%
身妝1.0%
風俗1.0%
服裝0.6%
扮裝0.4%
0.4%
身態0.4%
身成0.4%
容姿0.2%
形装0.2%
服姿0.2%
服粧0.2%
服飾0.2%
行装0.2%
衣裝0.2%
衣裳0.2%
見装0.2%
身丈0.2%
身状0.2%
身粧0.2%
身裳0.2%
風彩0.2%
風態0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう一人は小柄できびきびした人で、フロックにゲートルというきちんとした身装みなりで、短く刈込んだ頬髯を持ち眼鏡をかけていた。
翌日の夕刻になると、羅門は、常になくいそいそとして、黒龍紋くろりゅうもんかみしもはかま身扮みなりも隙なく、若年寄小笠原左近将監の邸へ出向いて行った。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此時になつて初めて其の服装みなりを見ると、依然として先刻さつきの鼠の衣だつたが、例の土間のところへ来ると、そこには蓑笠が揃へてあつた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今更に身形みなりのしどけないのに、年にも似ず顏赭らめて、寢衣の上へ帶なぞ締めて來たお道は、前をかき合はせ/\、呆れた顏をして
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
周囲には二組ばかりの客がいるだけなので、そうしてその二組は双方ともに相当の扮装みなりをした婦人づれなので、室内は存外静かであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
武芸者としての改まった身姿みなりにもならないのは、道庵のせっかくの謀叛に、米友が不同意を唱えたわけではなく、小諸の城下を当ってみたけれども
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
どう繕ひやうもないクェイカー教徒の身裝みなり——編み髮も何もあまりに窮屈で、質素で、どう亂れようもない——その身裝で、私共は下りて行つた。
常夜燈の蔭から現われた、女役者の荻野八重梅、町家の女房という風采みなりである。お高祖頭巾こそずきんを冠っている。二人の行衛ゆくえを見送ったが、さすがに気持ちが悪いらしい。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何所いづくより何の用事で見えられた、と衣服みなりの粗末なるにはや侮り軽しめた言葉遣ひ、十兵衞さらに気にもとめず、野生わたくしは大工の十兵衞と申すもの
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
此の老婆が、もつとよい衣装みなりをして居たならば、彼女は、とつくに席を譲られて居たのに相違なかつた。
我鬼 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ほかの乞食とはちがって、身妝みなりもさっぱりしており、人の家の勝手口で残った冷飯や菜を貰うほかには、道ばたで物乞いをすることもないし、銭などには決して手を出さなかった。
橋の下 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「あら、よし子さんじゃいらッしゃいませんか。」と同じ年頃としごろ、同じような風俗みなりの同じような丸髷が声をかけた。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あなたはあそこの女中ぢやありませんね、無論。あなたは——」彼は言葉を切つて、私の服裝みなりに目を走らせた。
なつ黒羅紗くろらしや半外套はんぐわいとう、いくら雨模樣あまもやうでも可怪をかしい扮裝みなりだ。
同時に、自分のみなりのみすぼらしいのが、磯五の前にたまらなく恥ずかしくなってきた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「貴方その身態みなりは何ですね、襦袢シヤツほころびからおへそが覗いてるぢやありませんか。」
此人このひとはじめは大藏省おほくらしやう月俸げつぽうゑん頂戴ちようだいして、はげちよろけの洋服ようふく毛繻子けじゆす洋傘かうもりさしかざし、大雨たいうをりにもくるまぜいはやられぬ身成みなりしを、一ねん發起ほつきして帽子ぼうしくつつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あげし方が足下そくかの家の息子むすこなりしかとは知ねども容姿みなりもよく若きに似氣にげなく物柔ものやはらか折屈をりかゞみき人なればむすめもつは早くも目が附き何處いづこの息子か知ざれど美男びなんの上に温順おとなしやとおなじ事ならあゝいふ人に娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よだれをたら/\らし這入ってまいり、見れば先程さっきの奴が自分の形装みなりで居りますから、八右衞門は突然いきなり此の野郎と云いながら、一生懸命に這上がって、小平の胸ぐらを掴んで放しません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母親はゝおやは五十ばかり、黒地くろぢのコートに目立めだたない襟卷えりまきして、質素じみ服姿みなりだけれど、ゆつたりとしてしか氣輕きがるさうな風采とりなり
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しいをんな服粧みなりるいなど哄然どつわるはれる、おもへば綿銘仙めんめいせんいとりしにいろめたるむらさきめりんすのはゞせまおび、八ゑんどりの等外とうぐわいつまとしてはれより以上いじやうよそほはるべきならねども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
髭に続いてちがいのあるのは服飾みなり白木屋しろきや仕込みの黒物くろいものずくめには仏蘭西フランス皮のくつ配偶めおとはありうち、これを召す方様かたさまの鼻毛は延びて蜻蛉とんぼをもるべしという。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それから店の主人も斯様なお行装みなりにお成り遊ばしてお気の毒でと、種々いろ/\お話が尽きない処から、ツイ遅くなりまして帰られませんでした
其處そこその翌日あくるひ愈〻いよ/\怠惰屋なまけや弟子入でしいりと、親父おやぢ息子むすこ衣裝みなりこしらへあたま奇麗きれいかつてやつて、ラクダルの莊園しやうゑんへとかけてつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
贅沢な衣裳みなりとどことなく鷹揚なようすを見ても下町の大賈おおどこの箱入娘だということが知れる。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「退院するときあまり変な見装みなりもして出られませんしね。」と言ってお銀の気にしていたことも考えられた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
思召おぼしめしの段は誠に有難うございますが、うも只今の身の上では、貴方方の様な立派な処へ参られもしませんし、それに身丈みなりこそ大きゅうございますが、誠に子供の様でございますから
集って来た人たちは、男のみすぼらしい身状みなりと、哀れな死に態と、美しい花簪と謎のような取合せについて、思い思いの話題を拵え合っていた。
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が今、佐々木高氏が胸をそらして笑った朗らかな顔と、その異形いぎょうなる身粧みなりとには、俄に眼をぬぐわされたことでもある。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は火傷をしたが、そのことはなんとも言わないで、ただそんな身裳みなりのところを見られたことをいやがったらしかった。
「今を何時だと思ってるんだろう。闘牛季節トロスシーズンの忙しい最中さなかに、貧乏たらしい風彩みなりをして、泊めてくれとはく云えたものだ。俺が慈善家でなかったなら一も二も無くことわったのだ」
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それに致してはその風態みなりがあまりに粗末にござります」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)