“毛繻子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けじゅす59.1%
けじゆす40.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒い毛繻子けじゅすのカーテンを、サッと開きますと、明るい光線がパッとさしこんで来たので、百合子は頭がくらくらしたので両眼を閉じました。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
見すぼらしい服装なりをして、ズックの革鞄と毛繻子けじゅす蝙蝠傘こうもりを提げてるからだろう。田舎者の癖に人を見括みくびったな。一番茶代をやっておどろかしてやろう。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おつたはやゝ褐色ちやいろめた毛繻子けじゆす洋傘かうもりかたけたまゝ其處そこらにこぼれた蕎麥そば種子まぬやう注意ちういしつゝ勘次かんじ横手よこてどまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見よ、演説壇上のこの人を——黒紋付の木綿羽織に、色せた毛繻子けじゆすの袴。大きな円い額には長く延びた半白の髪が蓬のやうに乱れて居る。年正に六十。
政治の破産者・田中正造 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)