鵞口瘡がこうそう)” の例文
しかし二週たって、子供が鵞口瘡がこうそうのために死んだときには、自分でその子を小さいかんに納めて、深い憂愁の面もちでじっとそれを眺めていた。
例のごとく消毒衣に服を着かえて。くつを下駄にはきかえて牛舎を見廻みまわった。予は獣医に府下鵞口瘡がこうそうの模様を問うた。本月二日以来新患の届出とどけいでがないから。
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
舌に腫物はれものが出来たと云ふが、鵞口瘡がこうそうにでもならねばい。ぢつと炬燵こたつに当りながら、「つづらふみ」を読んでゐても、心は何時いつかその泣き声にとられてゐる事が度々ある。わたしの家は鶉居じゆんきよではない。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
きょうは午后ごごから鵞口瘡がこうそう疫の事について。組合本部の役員会があるはずなれど差支さしつかえる事があって往をやめた
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
虎毛が少しよだれをたらしていましたゆえ鵞口瘡がこうそうかも知れぬと申して。男共に鼻をとらして口中をよおく見ました。どうも判然はわからぬけれど念のため獣医を呼んで一応見せるがよかろうと申して。
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)