鳴響なりひび)” の例文
蓄音機が絶え間なく鳴響なりひびいている中から、やがて「お客様ア」と呼ぶ声につれて、二人づれの客が三、四人の女給に取巻かれ、引摺ひきずり上げられるように階段を上って来た。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ピータ よいわ、いまい、身體中からだぢゅう鳴響なりひびくやうに支拂しはらうてくれうぞ。
熊檮くまがし、女にむかひて、国のかみの召しつるぞ、急ぎまゐれといへど、こたへもせであるを、近く進みてとらふとせしに、たちまち地も裂くるばかりの二〇一霹靂はたたがみ鳴響なりひびくに、許多あまたの人ぐるひまもなくてそこに倒る。