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鰭伏
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ひれふし
得ず名乘出しなり因て下死人は此三五郎めに
聊も違ひ御座らぬと白洲に
鰭伏少しも動かねば役人は
勿論村役人共持餘し叱りつ
宥めつ漸々に白洲を
與んとて懷中より三
兩出し長助へ渡しけるに長助は
大地に
鰭伏此御恩は
忘れまじとて
悦びけり是よりは
別して
此長助
而已毎度お
常始めの
惡巧みを
内通して又七を
決して恨んでたもるまい此場に
臨んで
左右と
言譯するも
大人氣なし永き苦しみさせるのも猶々不便が
彌増ばと
再度大刀振上ていざ/\覺悟と切付る
刄の下に
鰭伏て兩手を