髪飾かみかざ)” の例文
旧字:髮飾
のぞいたことはなくとも己れの容色については並々ならぬ自信があり衣類や髪飾かみかざりの配合等に苦労することは眼明きと同じであった思うに記憶力きおくりょくの強い彼女は九歳の時の己れの顔立ちを
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかしただ言葉ことばだけでご返事を申しあげたのでは失礼だとお考えになって、天皇へお礼のおしるしに、押木おしぎの玉かずらというりっぱな髪飾かみかざりを、若日下王わかくさかのみこから献上品けんじょうひんとしておことづけになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
奥方は嫁入よめいりの時に持つて来た衣服きもの髪飾かみかざりを売食うりぐひして日を送つた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
姉様遊びの姉さまが新嫁にいよめの別名であったことは、あの顔より大きな髪飾かみかざり、紅の衣裳いしょう染模様そめもようを見てもわかるが、その花オカタが古いオカタと同居して、特に姉様と呼ばれて区別せられる必要などは
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それからやはり岩屋の前へ、あきだるをせて、天宇受女命あめのうずめのみことという女神に、天香具山あめのかぐやまのかつらのつるをたすきにかけさせ、かつらの葉を髪飾かみかざりにさせて、そのおけの上へあがって踊りを踊らせました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)