駅路うまやぢ)” の例文
旧字:驛路
笛の音の類、朝立ちの駅路うまやぢの鈴、訪ふ人もなき隠れ家のべるの釦のほのかに白き、小夜ふけてきくりんのたま。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
東下り、京上り、往来ゆききに果つるおん旅や、御跡おんあとしる駅路うまやぢの繰りひろげたる絵巻物ゑまきもの、今巻きかへす時は来ぬ。時こそ来つれ、生涯の御戦闘みいくさへて凱旋がいせんの。時こそ来つれ、生涯の御勤労みつとめ果てゝ御安息おんやすの。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
笛の音の類、朝立ちの駅路うまやぢの鈴、訪ふ人もなき隠家のべるの釦のほのかに白き、小夜ふけてきくりんのたま。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
御殿場のここの駅路うまやぢ、一夜寝て午夜ごやふけぬれば、まだ深き戸外とのもの闇に、早や目ざめ猟犬かりいぬが群、きほひ起き鎖曳きわき、をどり立ち啼き立ちくに、朝猟の公達か、あな
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)