香道こうどう)” の例文
「いや道誉の客となるのは苦手にがてだ。闘茶とうちゃか、立花りっか(生け花)か。やれ香道こうどうの、連歌れんがのとくる。まずは兄上おひとりで」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雑俳ざっぱい楊弓ようきゅう香道こうどうから碁将棋まで、何一つ暗からぬ才人で、五年前先代から身上しんしょうを譲られた時は、あの粋様すいさまでは丸屋の大身代も三年とはつまいと言われたのを、不思議に減らしもせず
あんな乱世の中で、茶寄合ちゃよりあい(茶道の原始的な遊び事)から香道こうどう立花りっか(華道の始まり)などの風流を興していた彼。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のもっとも自信のあるのは「香道こうどう」で、香は、その道の大家志野宗心しのそうしんに教えをうけたものだという。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うそを申せ、わしは公卿くげじゃなし、挿花はな香道こうどうの師についたことはない」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)