香煙かうえん)” の例文
バビロンの淫婦はなんぢ七頭しちとうの毒竜は爾の馬、火と煙と硫黄いわうとはなんぢ黒檀こくたん宝座みくらの前に、不断の香煙かうえんのぼらしめん。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
昨日吸ひたる香煙かうえんの芳ばしき味ひ、しきりになつかしくて堪へ難きまゝに、われにもあらず長崎の方へくびすを返して、飛ぶが如く足を早むるに、夢うつゝに物思ひ来りし道程みちのりなれば、心覚え更に無し。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
濛々もう/\たる香煙かうえんを日光にみなぎらす如し。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)