食出はみだ)” の例文
「そりゃ然うだろう。では一つ今夜の事を話そうかね。だが、その前に——その衣嚢から食出はみだしてる手袋を見せてくれないか」
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
緑盤の縁にはさまって食出はみだして居る絹の切れで有る、見紛う様もない日影色の地合は確かに秀子の着物である。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
髪の毛は段々と脱落ぬけおち、地体じたいが黒いはだの色は蒼褪あおざめて黄味さえ帯び、顔の腫脹むくみに皮が釣れて耳のうしろ罅裂えみわれ、そこにうじうごめき、あし水腫みずばれ脹上はれあがり、脚絆の合目あわせめからぶよぶよの肉が大きく食出はみだ