頼家よりいえ)” の例文
宿に帰って朝飯の膳にむかうと、鉢にうず高く盛った松茸に秋の香が高い。東京の新聞二、三種をよんだ後、頼家よりいえの墓へ参詣に行った。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは頼家よりいえが生れて間もない時のこと、政子には継母けいぼに当る遠江守時政の後妻まきかたから頼朝のおこないついて知らして来た。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
正治元年千幡八歳のとき、父が相模川さがみがわの大橋の落成式に行って、馬から落ちたのがもとで急に薨去こうきょした。兄頼家よりいえが二代将軍となったが、建仁三年辞し、千幡は十二歳で将軍となり実朝と改めた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
伊豆の修禅寺しゅぜんじ頼家よりいえおもてというあり。作人も知れず。由来もしれず。木彫の仮面めんにて、年を経たるまま面目分明ならねど、いわゆる古色蒼然そうぜんたるもの、来たって一種の詩趣をおぼゆ。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)