“頭陀(ずだ)” の例文
そもそも海闍梨(かいじゃり)の裴如海(はいにょかい)が、一周忌(しゅうき)法要で屋敷へ来た夜のことから、以後の不審や、ちかごろ気づいた頭陀(ずだ)のことまで、またこの眼で
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千草木綿(ちくさもめん)の股引に甲掛草鞋穿(こうがけわらじばき)で旅馴れた姿、明荷(あけに)を脇に置き、一人は鼠の頭陀(ずだ)を頸(くび)に掛け、白い脚半(きゃはん)に甲掛草鞋。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(南玉が、いつか、高座で云ったっけ——何んとかの、頭陀(ずだ)袋、破れたら縫え、破れたら縫え——ってんだ)
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
大抵廻国の頭陀(ずだ)か、浮浪民かで、いわゆる一処不住の旅芸人、或いは渡り職人、旅商人とか、乞食法師とかの類であったが、かかる類の者は、善根宿(ぜんごんやど)として修行者を宿泊せしめる場合のほかは
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
ポクポク、ポクポク、頭陀(ずだ)の影は塀(へい)の角で、しきりとまだ木魚を叩いてるばかり。「——おや、頭陀のやつ。どうしたんだろ、いつになく?」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
麻の法衣(ころも)に鼠の頭陀(ずだ)で行脚(あんぎゃ)の支度を取揃えまして、唯今山を下(くだ)りまする、その改心の様子を御覧に供えましたら石井氏は嘸(さぞ)かしお悦びであろうと其れのみ申して居りまする
そして、いざ酒屋の払いをと、旅包みを解くと、宋江のそれにも武松の頭陀(ずだ)にも、思いきや大枚銀五十両ずつ入っていた。孔(こう)兄弟の心入れなのはいうまでもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ年は三十四五にて色白にして大柄で、眉毛のふっさりと濃い、鼻筋の通りました品の好(よ)い、鼠無地に麻の衣を着、鼠の頭陀(ずだ)を掛け、白の甲掛脚半(こうがけきゃはん)、網代(あじろ)の深い三度笠を手に提げ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これより頭髪(あたま)を剃りこぼち、麻の衣を着て鼠色の頭陀(ずだ)を掛け、行脚の僧になって飛騨の高山へ立越えると誓ったが、此処に居る銘々も何卒(なにとぞ)心を改めて山三郎の其の厚い心を無にしない様に